2021-12-01から1ヶ月間の記事一覧

高齢者診療の難しさ

高齢者の診療が難しいことについて前回触れたが、ここについてもう少し書いてみたい。 高齢者は複数の病気が同時発生することが多いという話をしたが、これだとどう難しいのか。 お医者さんは診療するとき、できるだけ病気の原因をピンポイントに絞り込もう…

高齢者が発熱した場合に意識しておくこと

高齢者が発熱した場合について考えてみる。 というのも、高齢者は一般成人における診断の考え方がはまらない場合が多い。 これを意識しておくことがまずは重要になる。 では、まず高齢者とは誰なのか。 定義はなかなか難しいのだが、日本では栄養状態の改善…

高齢者で咳が主な症状だったら

高齢者で咳が主な症状だった場合について見ていこう。 成人の症状として ・寒気を感じでガタガタと震えが止まらず、38℃以上の発熱、咳がある ・一度治ったと思ったら、ぶり返したように咳が出た ・喉の痛みや鼻水などの他の症状がない。 にあてはまると、肺…

高齢者で喉の痛みが主な症状だったら

次は高齢者で喉の痛みが主な症状だったパターンだ。 喉の痛みをより具体化する方法として「唾を飲み込む」ことについては以前に述べた通りだ。 唾を飲みこんで喉が痛かったら、基本は風邪であることが多い。 高齢者でもこの考え方はあてはまる。 しかしなが…

高齢者で鼻水が主な症状だったら

今回からは高齢者を前提に、鼻水が主な症状だった場合について考える。 そもそもだが、人は年齢が上がるにつれて、免疫機能は低下していくようにできている。(専門用語で免疫老化という) よく「高齢者はワクチンが効きにくい」という話を聞くが、これは本…

高齢者の「風邪かな?」の難しさ

高齢者は風邪をひきにくい、という話を聞いたことがある人は少なくないはずだ。 実はこれは根拠がある。 高齢者は長い人生において、様々なウイルスにさらされ感染してきている。 感染は症状が出ないものも含めるから、自分が認識しているよりも、人は多くの…

自宅診療が大事だと思った理由②

風邪について、調べ始めてから、悪い意味で知って驚きのことがあった。 それが「薬剤耐性」の問題だ。 薬剤耐性とは、私たちが自分に対して何らかの作用を持った薬を飲んだ時に、この薬に抵抗する状態になってしまうことだ。 薬に抵抗してしまうから、薬が効…

自宅診療が大事だと思った理由①

今回は、私がなぜ自宅診療が大事だと思ったのかを書いてみたい。 私は現在40歳なのだが、新卒で会社に入ってからは、体調不良に対しては敏感で、人にうつしてしまう感染症ではないことを確認するのをルール化していた。 私なりのプロ意識だったわけだ。 それ…

熱と首の痛みがセットで出たら

今回は熱とセットで首の痛みが出た場合を見てみよう。 最も多いのは風邪の延長線上で首の前側にあるリンパ節がはれているという症状だ。 風邪の延長線上かどうかを確認するには、唾を飲み込んでみよう。 唾を飲みこんでいたいのは、咽頭と呼ばれる鼻から食堂…

熱と皮膚症状(かゆみ、はれなど)がセットで出たら

今回は、熱とともに皮膚にかゆみやはれなどの何らかの症状(以下、皮膚症状)が出た場合を考えてみる。 この場合は基本的に病院に行くと考えていいだろう。 皮膚症状には大きく、ある特定の部位のみで症状が出る局所型と、全身に症状が出る全身型の2つのタイ…

熱と節々の痛み(関節痛)がセットで出たら

熱が出たときに、よく関節の痛みの症状が出ることがある。 「節々が痛い」という表現で用いられることが多い状態だ。 この関節の痛みを、以下では関節痛と呼ぶことにする。 関節痛は、基本的には典型的な風邪における熱に伴って出る症状と考えてよい。 この…

熱と消化器症状(下痢、腹痛、嘔吐など)がセットで出たら

熱と一緒に下痢、腹痛、嘔吐などの消化器官における症状(以下、消化器症状)が出た場合を考えてみよう。 この消火器症状が出る原因は、基本的に「腸炎」だ。 この腸炎については、ほとんどがウイルス性腸炎である。 これはいわゆるお腹の風邪と考えればよく…