咳が主な症状だったら
今回は、咳が主な症状だった場合を考えてみる。
この場合に最も多いのは「気管支炎」。
そして気管支炎のうち90%以上はウイルス性だ。
ウイルス性気管支炎は自然に治る病気と考えてOKなので、病院に行かなくていい。
風邪と同じ判断でOKということだ。
気管支炎に似た症状が出る病気に「肺炎」がある。
実は、気管支炎と肺炎は病院でもクリアに区別することが難しい。
よく胸部X線で影があれば肺炎と診断するのだが、全ての患者に胸部X線をすることは手間がかかりすぎる。
また、影が出たとしてそれが明確だと肺炎だと判断することが難しい場合もある。
なので、判断が難しいのだ。
では、どうするかというと、明らかに「肺炎」と疑うポイントを把握しておき、これにあてはまれば、病院に行くという判断でいいだろう。
明らかに肺炎を疑うポイントは以下の3つだ。
・寒気を感じでガタガタと震えが止まらず、38℃以上の発熱、咳がある
・38℃以下でも高齢者や肺の基礎疾患がある人で、びっしょりするほど寝汗を書いてしまう
・一度治ったと思ったら、ぶり返したように咳が出た
・喉の痛みや鼻水などの他の症状がない。
これらの状況にあてはまれば、肺炎と想定して病院に行こう。
これ以外で注意するべきこととしては、
・ガタガタと震えがある時に、インフルエンザが流行している場合は
インフルエンザと肺炎の合併の場合もありうるので、すぐ病院に行きたい。
・重い発作性の咳がでて、睡眠がとれないときは百日咳の可能性あり。
ただ、百日咳の場合は、症状が出ても2週間は抗菌薬が効かない特徴があり、
2週間以上症状が改善しない場合は、すぐに病院に行く。
・3週間以上咳が続いていたら、結核の可能性あり。
この場合はすぐに病院に行く。
鼻水や喉の痛みの場合と比べ、咳の方が若干複雑である。
ただ、症状が出た場合の多くは風邪か気管支炎で自然治癒するので、慌てずに状況を見ながら、病院に行くか判断すれば大丈夫だ。